ジェネリック医薬品の使用推進
後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは?
新薬は、研究・開発から発売までに10~15年以上の長い期間と、数百億円もの膨大な投資が必要といわれています。そのため、特許を出願してから20~25年間は、開発した製薬会社が独占的に製造・販売することができます。
しかし、その特許期間が終了すると、他の製薬会社が厚生労働省の承認を得て、同じ有効成分の薬を製造・販売することができるようになります。
これらの医薬品を総称して「後発医薬品」または「ジェネリック医薬品」と呼びます。
後発医薬品はこんなにお得!
新薬が膨大な期間・費用をかけて開発されるのに対して、後発医薬品は研究開発期間が3~5年、開発費も格段に少なくてすみます。そのため、新薬と同等の有効性や安全性をもちながら、価格は平均すると約半分に抑えることができるといわれています。
高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの慢性疾患では、薬の服用は長期間に及びます。そうした患者さんにとっては、後発医薬品の存在はとても大きいといえます。
後発医薬品を利用するには?
現在治療中で、後発医薬品に変更されていない場合は、一度医師に尋ねてみましょう。
処方箋に「後続品(ジェネリック医薬品)への変更が全て不可の場合」の欄に医師サインが入っていない場合は、薬局で「後発品でお願いします」と意思表示すれば患者さんの意思で後発品を選択できます。
ただ、後発医薬品は臨床上の有効性・安全性が同等であるものの、溶け方などの使い勝手が先発品と異なることもあります。上手に利用するには、自分の病気のことをわかってくれている「かかりつけ薬局」をもつことが大切です。
バイオ後続品(バイオシミラー)とは?
インスリン製剤、分子標的治療薬などのように、タンパク質等を構成成分とする医薬品を「生物学的医薬品」といい、その後発医薬品を「バイオ後続品」または「バイオシミラー」と呼びます。
微生物や培養細胞を用いて生産される製剤のため、新薬に匹敵する研究開発を経て、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質・安全性・有効性であることを、臨床試験等によって立証しています。
「生物学的製剤」は概して高価なため、「バイオ後続品」に切り替えるとお薬代の負担が軽くなります。
医療費通知で医療費を節約
当健康保険組合では、ジェネリック医薬品に切り替えると医療費節約効果が大きいと思われる方へ、ジェネリック医薬品の切り替えをお勧めするお知らせをお送りしています。
今後も医療費の増大が予想されるなか、ジェネリック医薬品の使用は、一人ひとりの保険料の負担軽減につながるほか、優れた医療保険制度を次の世代に引き継いでいくことにも貢献します。
平成30年度より、ジェネリック医薬品の使用割合は保険者インセンティブの評価指標となっており、健康保険組合ごとのジェネリック医薬品の使用割合も公表されることになるため、皆様のご協力をお願いいたします。